先日SNSで、
「ドイツ語の試験がまさかの『17世紀の海賊とその出典の真偽について』で最初は意味がわからなかった」
と言う投稿を目にしました。
それを見て、大学院入試の英語で悲惨な思いをした事を思い出しました。
実践女子大学大学院の内部進学の試験は英語と第二外国語で、英語は辞書持込み不可、第二外国語は辞書持込み可でした。
私は第二外国語はフランス語を選択しました。
英語と第二外国語、どちらの試験が先に行われたか忘れてしまいましたが、フランス語の方は一題は西洋近代絵画について、もう一題はルネサンスについての長文読解だったと記憶しています。
持ち込んだ辞書は殆ど使う事なく訳し、余った時間に心配なところだけを辞書で確認し無事に試験を終えました。
ところが英語は惨憺たるものでした。
こちらも長文の日本語訳が二題出ました。一題は美術史に関する事で問題なく訳せましたが、どんな内容だったかは、もう一題があまりに強烈で忘れてしまいました。
その強烈な一題とは二つめの長文でした。
何やら雰囲気が変なのです。書いてある通りに日本語に訳すと、あり得ない事になるのです。
彼はstreamに沿って歩いていく
天気は良くて、暖かくて…
僕は布と綿で出来ているから濡れると大変…
正確には覚えていませんが、こんな感じの意味の分からないふわふわとした文章がずっと続いていました。
まず良くなかったのは、文中に度々出てくるstreamの意味を失念してしまった事です。仕方がないのでそこはそのままstreamと表記しました。
それにしても…布と綿でできた人間でないものが歩く?
なんじゃこりゃ?
こちらは英文と言えば学術的なものしか読んでおらず、問題も美術史に関するものが出ると思っています。
それなのに、その英文を読むと頭の中には得体の知れない人間ではない何かが歩いている現実離れした光景しか思い浮かびません。
書いてある通りに日本語に訳すとめちゃくちゃな事になるので、一体どうしたら良いのか分からないまま取り敢えず直訳して提出しました。
その後の面接で、出題した先生に
「あれは『くまのプーさん』よ、点取り問題だったのに…」
と言われました。
そのタイトルを聞いた瞬間、モワモワとして意味の分からなかった英文が一気にクリアになりました。
そうか!童話だったから変だったんだ!
童話ならどんなに荒唐無稽な展開になってもおかしくはありません。
意味がスッと通ったお陰で、よく分からなかったstreamが、水の流れつまり小川と訳せる事に気付きました。
考えてもみて下さい。例えば外国の大学院の入試で選択した日本語が
「竹が光っているのを見たおじいさんが竹を切ると、中に三寸ほどの女の子がいたので連れて帰った。すると女の子は三ヶ月程で美しい娘に成長した」
と書いてあったら…
・竹は光らないよ?
・9cmの女の子?胎児?
・三ヶ月で成長したなら人間じゃないのか?
きっと頭の中は?マークでいっぱい。パニックを起こすと思います。
学術的な内容であるはずと言う思い込みがある中、母語でない言語で童話だと知らされずに童話を読むと、本当に訳が分からないのです。
また、普段美術史関連の英文しか読んでいなかった私は、いつの間にか語彙が偏っていたのに気が付かず、英語は辞書がなくても読めると思って慢心していたのも反省点です。
先生に
「基礎力がないのねぇ」
と嘆かれた時は、仰る通りですとしか返事ができませんでした。
さて合否の方ですが、なんと受験者全員「くまのプーさん」の日本語訳が壊滅的だったおかげで(?)、無事合格しました。
第二外国語で中国語を選択した受験生は、当時中国語3や原書講読の授業がなかったためかなり苦戦したようです。
受験科目としては選択できるのに、基礎からの後継の授業がないのは変ですよね。今は改善されたでしょう。
またドイツ語を選択した受験生も基礎以降の授業を取っていなかったようで苦戦したようです。
その結果、私のフランス語の高得点が非常に目立ったようで、ゼミの先生に
「福田さんは英語よりフランス語の方が得意なんですね。変わってますね」
と言われました(苦笑)
「ドイツ語の試験がまさかの『17世紀の海賊とその出典の真偽について』で最初は意味がわからなかった」
と言う投稿を目にしました。
それを見て、大学院入試の英語で悲惨な思いをした事を思い出しました。
実践女子大学大学院の内部進学の試験は英語と第二外国語で、英語は辞書持込み不可、第二外国語は辞書持込み可でした。
私は第二外国語はフランス語を選択しました。
英語と第二外国語、どちらの試験が先に行われたか忘れてしまいましたが、フランス語の方は一題は西洋近代絵画について、もう一題はルネサンスについての長文読解だったと記憶しています。
持ち込んだ辞書は殆ど使う事なく訳し、余った時間に心配なところだけを辞書で確認し無事に試験を終えました。
ところが英語は惨憺たるものでした。
こちらも長文の日本語訳が二題出ました。一題は美術史に関する事で問題なく訳せましたが、どんな内容だったかは、もう一題があまりに強烈で忘れてしまいました。
その強烈な一題とは二つめの長文でした。
何やら雰囲気が変なのです。書いてある通りに日本語に訳すと、あり得ない事になるのです。
彼はstreamに沿って歩いていく
天気は良くて、暖かくて…
僕は布と綿で出来ているから濡れると大変…
正確には覚えていませんが、こんな感じの意味の分からないふわふわとした文章がずっと続いていました。
まず良くなかったのは、文中に度々出てくるstreamの意味を失念してしまった事です。仕方がないのでそこはそのままstreamと表記しました。
それにしても…布と綿でできた人間でないものが歩く?
なんじゃこりゃ?
こちらは英文と言えば学術的なものしか読んでおらず、問題も美術史に関するものが出ると思っています。
それなのに、その英文を読むと頭の中には得体の知れない人間ではない何かが歩いている現実離れした光景しか思い浮かびません。
書いてある通りに日本語に訳すとめちゃくちゃな事になるので、一体どうしたら良いのか分からないまま取り敢えず直訳して提出しました。
その後の面接で、出題した先生に
「あれは『くまのプーさん』よ、点取り問題だったのに…」
と言われました。
そのタイトルを聞いた瞬間、モワモワとして意味の分からなかった英文が一気にクリアになりました。
そうか!童話だったから変だったんだ!
童話ならどんなに荒唐無稽な展開になってもおかしくはありません。
意味がスッと通ったお陰で、よく分からなかったstreamが、水の流れつまり小川と訳せる事に気付きました。
考えてもみて下さい。例えば外国の大学院の入試で選択した日本語が
「竹が光っているのを見たおじいさんが竹を切ると、中に三寸ほどの女の子がいたので連れて帰った。すると女の子は三ヶ月程で美しい娘に成長した」
と書いてあったら…
・竹は光らないよ?
・9cmの女の子?胎児?
・三ヶ月で成長したなら人間じゃないのか?
きっと頭の中は?マークでいっぱい。パニックを起こすと思います。
学術的な内容であるはずと言う思い込みがある中、母語でない言語で童話だと知らされずに童話を読むと、本当に訳が分からないのです。
また、普段美術史関連の英文しか読んでいなかった私は、いつの間にか語彙が偏っていたのに気が付かず、英語は辞書がなくても読めると思って慢心していたのも反省点です。
先生に
「基礎力がないのねぇ」
と嘆かれた時は、仰る通りですとしか返事ができませんでした。
さて合否の方ですが、なんと受験者全員「くまのプーさん」の日本語訳が壊滅的だったおかげで(?)、無事合格しました。
第二外国語で中国語を選択した受験生は、当時中国語3や原書講読の授業がなかったためかなり苦戦したようです。
受験科目としては選択できるのに、基礎からの後継の授業がないのは変ですよね。今は改善されたでしょう。
またドイツ語を選択した受験生も基礎以降の授業を取っていなかったようで苦戦したようです。
その結果、私のフランス語の高得点が非常に目立ったようで、ゼミの先生に
「福田さんは英語よりフランス語の方が得意なんですね。変わってますね」
と言われました(苦笑)