先日は藤本昭子さん(つい最近までは藤井昭子さん)の地歌ライブに行ってまいりました。
藤本さんは九州系地歌の素晴らしい演奏家です。
2001年から年に数回のペースで地歌ライブをやっていて、今回はなんと75回目。
[地歌に詳しくない方へ補足]
地歌は、江戸時代に、主に名古屋・関西以西で発展した三味線音楽です。
箏は江戸時代中期頃から独自の発展が一時止まり、地歌の伴奏楽器として発展していきました。そのため、箏曲のレパートリーのかなりの部分を地歌が占め、地歌の演奏家は箏も弾きますし、箏の演奏家は地歌の三絃(お三味線のことです)も勉強することになっています。
藤本さんの地歌ライブは、勉強のためにいつか行こうと思いつつも年に4回もあるのに安心し、気が付けば初回から十数年経過。これはいけないと慌てて予約を入れました。
藤本さんは九州系地歌の素晴らしい演奏家です。
2001年から年に数回のペースで地歌ライブをやっていて、今回はなんと75回目。
[地歌に詳しくない方へ補足]
地歌は、江戸時代に、主に名古屋・関西以西で発展した三味線音楽です。
箏は江戸時代中期頃から独自の発展が一時止まり、地歌の伴奏楽器として発展していきました。そのため、箏曲のレパートリーのかなりの部分を地歌が占め、地歌の演奏家は箏も弾きますし、箏の演奏家は地歌の三絃(お三味線のことです)も勉強することになっています。
藤本さんの地歌ライブは、勉強のためにいつか行こうと思いつつも年に4回もあるのに安心し、気が付けば初回から十数年経過。これはいけないと慌てて予約を入れました。
演奏会の日が8月15日だったので、プログラムは秋に因んだ追善の曲でした。
「筆の跡」
「萩の露」
「さむしろ」
「残月」
最初の端歌物「筆の跡」は藤本さんお一人で弾き歌い。
二曲目の「萩の露」からは三曲合奏でした。
なかでも印象に残ったのは「さむしろ」で、助演は
箏、岡村慎太郎さん
尺八、藤原道山さん
でした。
自分が習った時は、転調は多いし暗いし、なんだか変わった曲調の変な曲だなぁと思っていました。
今回初めて演奏をしているのを聞きましたが、落ち着いた雰囲気の素敵な曲でした。
自分で弾くのと、他人が弾いているのを聞くのでは、印象に大きな違いが出るのですね。
また、お稽古でやったのは20年も前の学生時代でしたから、耳も出来てなくて変な曲に聞こえたのかもしれません。
そして何と言っても印象的だったのは、岡村慎太郎さんが絹糸を張った箏を使っていた事です。
最初は、今まで聞いた事のある三曲合奏と違い、箏が三絃にすっと寄り添い、音色が馴染んでとても自然なのを不思議に思っていました。
演奏後に藤本さんが、実は箏は絹糸を張っていたと解説され、納得がいきました。
「最初に言っておけば良かったですね」
と藤本さんは仰っていましたが、いえいえ!
先入観なく聞いた分だけ、余計に絹糸の素晴らしさが分かりました。
今まで三曲合奏の何となく引っかかる部分はこれだったのか!と納得です。
テトロン弦の独特の金属的とも言える強い響きが、三曲合奏では三絃のサワリの響きと被り、競合していたんですね。
絹糸は本番中に弦が切れるリスクが高く、最近では古曲でも敬遠されていますが、こんなに違うならリスクを取っても絹糸を使うべきだと思いました。
さて藤本さんは、地歌を広めたいと2001年から年4回、ずっと「地歌ライブ」を続けていらっしゃいます。
企画制作からチケット作成・販売、楽屋の張り紙、全てご自分でなさっているようです。
プログラムの後ろには英語の解説もあり、なんとか地歌を広めたいと言う「本気」を感じました。
年4回も自分で企画し本番にかけるなんて、すでに決まった手順で習慣化しているとしても大変な事です。
藤本さん、素晴らしいです!
惚れました!!