数年前から岡村慎太郎先生に組歌を習っています。最近ようやく八橋の十三組を終えて(でも楽譜が12冊しかないので何かやり忘れていそう)、今は三味線組歌の「飛騨組」と言う曲を習っています。
箏組歌が芸術性を意識した品格のある作品群であるのに対し、三味線組歌は当時の流行歌です。
当時の!
そう!私は今、1640年頃の流行歌をやっているのです!
江戸幕府の将軍は徳川家光、家綱、綱吉ぐらいの時代です。
素朴な伴奏に合わせて歌っていると、何となくこの時代の人と交感しているような気がしてきます。同時に脳内で勝手に創造された「江戸の街」も目に浮かんできます。
それがとても楽しいです。
とは言っても…テノールくらいの音域の地歌でも苦労しているのに、三味線組歌はそれよりもさらに音域が低く、バリトン並みです。
声が出ないといつまで経っても節を覚えられず、仕方なく半音上げて練習していたら、それでもなお低いので父に
「随分音域が低いな」
と驚かれました。
声を出す方に注意が向いてしまうので、自分が具体的に何を歌っているかまだイマイチ分かりません。
それから半音高くすると糸の張力が上がるので手首に大きな負担がかかり、痛くなりやすいのが困りものです。
当時の女性はどうしていたのだろうか?(もしかして歌わなかったのかしら?)
何か良い方法はないかなぁ。