ゆうこのゆるゆる通信

おとぼけ天然キャラ(*^_^*)箏奏者・福田優子の周りで起こる、日々諸々のこと

琴教室

外国語でレッスンする

先日、中国人のSさんのお友達のJさんが日本に観光に来て、日本の箏の体験をしたいとのことで1時間レッスンしました。

考えてみれば、今まで外国語でレッスンをした事は一度もありません。
が、Jさんは日本語は全く話せないもののイギリスに留学経験があり英語が話せるし、Google翻訳があるから大丈夫と呑気に構え、Sさんの心配を他所にJさんも同じことを考えていたようです(笑)

とは言えその場で一々翻訳をかけるのは面倒なので、ある程度の説明は予めGoogle翻訳で英語と中国語に訳しておきました。

さて、レッスン日が来てJさん到来。
ドアを開けて
「你好(ニーハオ)」
と挨拶すると、Jさんの顔がパッと明るくなって
「你好 你好」
と早口で二回連続して言いました。実はネイティブは二回連続で言う事がほとんどです。
私は声帯模写が得意なのでどの言語もそこそこ発音が良いらしく、喋れると勘違いされます。
Jさんも、ある程度は喋れると勘違いしたようです。

生憎私は中国語で会話をした経験がほぼないので聞き取りに難があります。
発音自体は聞き取れても当てはまる漢字の語彙がなかなか思い浮かばないのです。

という事でレッスンは英語と中国語のチャンポンになりました。まずは予め翻訳していた文章で

・日本の箏は調弦が何種類もあるため、弦はドレミソラではなく、番号で数える事
・11, 12, 13番目の弦は斗、為、巾と固有名詞が付いている事
・本来は漢字は日本語読みで教えたいけど、今日は中国語読みでやる事

を説明しました。
Jさんは高校まで中国箏(以下古筝)をやっていて一番上の資格まで取ったそうで、最初からかなり弾けました。
ただ、古筝の親指の箏爪は勾玉のようなカーブを描いていて親指の側面に出る形になり、指を寝かせるようにして弾くのに対し、日本の箏は親指の先端から箏爪が出るのであまり寝かせると雑音が出ます。
古筝が得意なせいかJさんはついつい親指を寝かせて弾きがちで
「もっと指を立てて弾いて下さい。古筝の癖が出ていますよ」
と翻訳を見せたら、おおっとびっくりした顔をしていました。
また、古筝は日本の箏より真ん中寄りの位置で弾くので、ついつい手が真ん中にいきがちでした。

実は私、中国語の音楽用語を覚えるために古筝の解説動画をかなり頻繁に見ていて、調弦の並びや弾き方、楽譜の読み方などはある程度把握していました。これが今回はかなり役に立ちました。

「さくらさくら」を合奏した後は、忠夫先生の「鳥のように」を聞いてもらいました。

the title of this piece is "like a bird"

と言って「like a bird」を中国語に翻訳すると「像一只鳥」となり、あれ?と思いました。
これは直訳すると「一羽の鳥に似ている」と言う意味です。考えてみると英語の"like a bird"もそう言う意味に取れます。Jさんもちょっとピンと来ていないようでした。
そこで、
「これは、空を飛ぶ鳥のように自由になりたいと言う意味です」
と付け加えるとようやく納得したようでした。

後で父に聞いてみたところ「"like a bird"だけでは意味をなさなくて、通じないかもしれない」との事でした。

Google翻訳に関しては、日本語=中国語はかなり頼りないです。日本語からまず英語に訳し、意味が合っていたらそれを中国語に翻訳すると、大体言いたい事と一致する上に、英語のできるJさんは中国語と英語を比較して補完できるので通じやすかったです。

英語の方は最近喋っていなかったせいか、フランス語でも知っている語彙があると先にフランス語が出て来て英語が思い出せなくなるので難儀しましたが、結局一番安定して意思の疎通がはかれるのは英語だと言う事を再認識しました。

何よりJさんが結構楽しんでくれたようで良かったです。
お土産にお茶を頂きました。
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お湯に入れると花が咲いたようになり、とても綺麗なお茶です。
飲むのが楽しみ!
多分私が一番楽しみました。
また体験レッスン受け付けますよ〜

東京教室合同おさらい会

9月10日に、三浦可栄先生のお教室との合同おさらい会を行いました。

数えたらなんと15回目でした!
そんなに何度もやっている実感は全くないのですが、こういう風に時を積み重ねていくものかもしれません。
一番最初にやった頃の写真は多分これ
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2008年でまだ「アラサー」でした。
若い…

初回のおさらい会からずっと明大前の神社をお借りしていますが、今年は赤坂会館という邦楽専門の稽古場を借りてみました。
出演者が一気に増えて16名15曲でしたので、リハーサルは出来ず、いつもより早い開演時間となりました。
3分〜5分の曲も多かったのでなんとかなりましたが、来年はもっと借りる時間を増やさないといけないかなぁ。楽器もこの曲数では回すのが大変でした。

演奏の方は初めて独奏に挑むなどそれぞれの挑戦があり、実際の演奏は暗譜が飛んだ人もいれば、いつも通り安定した演奏を披露する人、緊張し過ぎて無表情になった結果むしろ堂々とした弾きっぷりに見えた初心者の人など、それぞれでした。
練習する楽器や場所もないのに頑張った生徒さんも結構多く、おさらい会があると一気に実力が上がります。素晴らしいことです。

住環境の都合で自宅で練習できない生徒さんが多いのが東京教室の特徴で、仙台教室の生徒さんの殆どが自宅で練習できるのとは対照的です。
限られたレッスンだけで上達させるノウハウの蓄積が今後の課題だと思ったおさらい会でした。

さて!最後の集合写真です。IMG_4823
9月とはいえ暑いので、浴衣OKにしました。私も浴衣を単衣風に着ています。
皆様お疲れ様でした!

私、すごい貫禄ついたな〜

箏おさらい会

今月は毎日のように秋葉原教室に通っています。
定期を作りたいところですが、生憎と自宅から直接行ったり、仕事先のホテルや師匠宅から行ったりと毎回経路が違うので、定期が作れません。
「都内全部パス」みたいなのが出来たら良いのに…

さて、レッスン回数が多い理由は来月のおさらい会が近いからでして…
毎年恒例の三浦可栄先生のお教室の合同おさらい会を9月10日に行います。
今年は場所を移して赤坂会館と言う伝統芸能専用のレンタルスペースを借りました。
今のところ休憩を挟んで15曲の予定です。
初めての場所なのでどんな感じになることやら…
内輪の会ですが、ガチガチに非公開にしている訳でもないので、ご興味ある方はお気軽にお越しください。

【箏おさらい会】
  • 開催日/2023年9月10日(日)
  • 時間/12:15開場、12:30開演
  • 会場/赤坂会館(港区赤坂2丁目13番地5号)
    http://akasakakaikan.com/kotu.html
  • 曲目/六段の調、つち人形、花筏、戦場のメリークリスマス、陽炎、彩り、神仙調舞曲、他

お免状試験

更新が遅くなり失礼いたしました。

そもそも例年3月から7月までは沢井箏曲院の行事が続き忙しい時期です。
今年はさらに7月4日に箏衛門のコンサートがあり、29・30日のお免状試験では、自分がスタッフであるだけでなく初めて当教室から受験生を出したので、終わってしばらくは燃え尽きておりました。

そう、今年のお免状試験は私に取っては特別で、当教室から初めて講師試験の受験生を出したのです。
そして見事合格しました!

Hさんおめでとうございます!

私の所属する沢井箏曲院は、他の流派に比べると登録料がかなり安く、お礼などの慣習もないのでリーズナブルにお免状が取れます。
と言っても比較の問題で、邦楽を知らない人に登録料の金額を言うと仰反るので、そこそこ高額ではあります。
また箏曲の歴史的経緯から受験には地歌三味線が必須となっており、この習得と三味線の購入及びメンテナンスが箏以上に大変なため、基本こちらからはお勧めしておりません。

昨年、Hさんの方からお免状を取りたいと言う申し出があり、沢井先生にも相談して受験することになりました。

この試験に合格すると沢井箏曲院の名前で生徒を取ることができるようになるため、一定レベルを認定するだけの音源審査より、基準が格段に厳しくなります。

試験科目は
・筆記試験(楽理及び音楽史)
・ソルフェージュ(五線譜視唱)
・調弦
・初見演奏(縦譜)
・古曲歌物課題曲
・現代曲課題曲
・三弦課題曲
・自由曲
と8科目に及び、全て合格点を取らないと講師の資格を取れません。
これだけ科目があると、お仕事をしながら全科目合格ラインまで持っていくのは至難の業です。

その点学生は有利です。
練習する時間も勉強する時間もたっぷりありますし、受験時に高校生だったりすると審査員の先生の目尻が下がり、
「偉いわねぇ」
と弾くたびに褒められるので、のびのびと全力で弾ききれます。
私の講師受験が正にそうでした。

本当に偉いのは日々のお仕事をこなしながら受験したり、高齢にも関わらず志した受験生なんですけれどね。

そう言うわけでHさんもやはり仕事が忙しいので練習がなかなか進まず、加えて私も8科目同時に試験に向けて完成させるという経験は初めてでしたので、文字通り二人三脚で頑張りました。

その結果の合格!

この1年猛烈に頑張った努力が実ってHさんのレベルは段違いに上がり、Hさんを知っている先生が
「別人だった」
と評するほどでした。
同時に何曲も仕上げ、知識も頭に入れるのは大変でしたが、やっただけの成果は必ずあるものですね。

これまでは金銭的な理由であまりお勧めしていなかったのですが、ちょっと考えが変わりました。
こんなに実力が着くなら、受験する価値は充分にあります。
ただ…まぁ…登録料が正直高い…

同時に私自身も指導者として成長させてもらいました。
上級までの音源審査とは違い、講師試験に受験生を出すには相当な指導力が必要です。
普段から生徒さん一人一人の特質に合わせて実力を伸ばすように心掛けていますが、まだまだ経験不足だと痛感しました。
本当に勉強になりました。

ところで!
試験が終わり、自分の順位に鼻高々な人も落ち込む人も色々いるでしょう。
が、
そんな事に一喜一憂してはなりません。

例えば受験者数が15,000人くらいなら、その順位は大体客観的な数字と思って良いでしょう。
でも母集団が数十人、十数人の場合は殆どあてになりません。偶然上手い人の応募が多ければ順位は下がるし、下手な人の応募が多ければ順位は上がるからです。
合格を目指して猛烈に練習し、確実にレベルアップした事に価値があります。
それを忘れずに、慢心せず、落ち込まず、今後も努力を続けて下さい。
私も精進します。

音源審査

私が所属する沢井箏曲院では、5月と11月に音源審査をしています。

これはある程度のレベルに達した事を認定する制度で、いわゆる教えるための「お免状」ではないのですが、
・合格を目指して集中して練習する
・録音機の前でプレッシャーと格闘しながら出来る限りノーミスで一曲通して弾く
と言う過程を経験すると明らかに上達します。

ただ、審査を受けるには沢井箏曲院の会員になる必要があり年会費が発生することと、審査に合格すると登録料がまぁまぁな金額かかることがネックになり、全員にお勧めするのはなかなか勇気が要ります。

ということで先日の五月期の音源審査では、当教室から久々にAさんが初級を受験しました。

私はスイッチが入ると意外にスパルタでして、数ある初級の課題曲の中で
「どうせ受けるなら一番難易度の高い『六段』で!」
と、箏を始めてまだ8ヶ月のAさんに難題を課しました。
が、Aさんは見事合格し、おまけに良い演奏に対して付く「優」と言う評価まで付きました。

いやぁ…Aさん、私のスパルタに付いてきてくれてありがとうございます。
そしておめでとうございます。

やっぱり目標があると上達しますよね。
次のプレッシャーは9月に計画している、三浦先生のお教室と合同で行っている、東京教室のおさらい会です。
皆様、頑張りましょうね。
むふふ


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